こんにちは、ロンです。
ずっと「いつか行きたいな」と思っていた黒部ダム。ようやく行ってきました。神奈川から日帰りです。
ひとつだけ、先に言っておきたいことがあります。
黒部ダムまでバイクでは行けません。
行けるのは長野県側の入口、扇沢駅まで。そこから先はバイクを置いて電気バスに乗り換えます。
私は事前に調べていたので知っていましたが、これを知らずに「ダムまで走るぞ」と意気込んで行っていたら、扇沢でしばらく呆然としていたと思います。これから行く人は覚えておいてください。

朝6時、中央道をひたすら北へ
出発は朝6時。
まだ空気が涼しいうちに家を出て、中央道へ。あとはひたすら北を目指します。
途中のSAで一度だけ休憩を挟んで、扇沢に着いたのが9時半すぎ。3時間半ほどの道のりでした。
高速がメインなので、距離のわりに体は楽です。ワインディングを刻んでいくタイプの道ではないけれど、朝の高速をひとりで淡々と流していく時間、私はけっこう好きです。目的地が黒部ダムだと思うと、それだけで気分が上がってきます。
扇沢からは電気バスで
扇沢駅に到着したら、ここからは関電トンネルの電気バス。所要16分です。
トンネルの中はずっと真っ暗で、窓の外には何も見えません。エンジンの音も、風も、路面の感触もない。ついさっきまでバイクに乗っていた身としては、この静けさがちょっと不思議でした。
そして、着いた場所がここ。

タイル張りの壁に「黒部ダム / Kurobe Dam」。
観光地に地下から到着する、というのはなかなか無い体験です。この時点でもう、いつものツーリングとは違う空気になっていました。
ダムに出た瞬間、空気が変わる
階段を上がって地上に出ると、まずひんやりした風が来ました。
標高1,454m。
平地は35度を超えていた日なのに、ここは長袖がちょうどいいくらいでした。汗が一気に引いていく感じ。夏に来て「涼しい」と思えるのは、それだけで贅沢だなと思います。
ただこれ、羽織るものを持っていないと普通に寒いです。特に放水の霧を浴びる展望台のあたりは体が冷えます。畳めるものを一枚、シートバッグに入れておくといいと思います。
音で先にわかる、放水のすごさ
展望台へ向かって歩いていると、まず音が届いてきます。
ドドドド、という低い唸り。まだ何も見えていないのに、「これは相当なものが待っているな」と体が身構える感じ。
そして視界が開けた瞬間が、これでした。

太い水の柱が2本、真下に落ちていく。
高さ186m、日本一のアーチダムから、毎秒10トン以上。落ちる途中で水が白い霧になって、谷全体が煙っていました。
しばらく、何も言わずに眺めていました。
写真だとスケールが伝わらないのが本当に悔しい。下のほうに小さな点がいくつか見えますが、あれ全部人です。それでなんとなく察してもらえたら。
そのまま見ていたら、霧に虹がかかりました。

谷底に向かって、七色の橋。
これは完全に運です。狙って見られるものじゃない。10分もしないうちに消えてしまいました。曇り空の一日でしたが、この瞬間だけは光が差していました。
なお観光放水は6月下旬から10月中旬までの期間限定なので、行くならこの時期を狙ってください。これを見ずに帰るのはもったいないです。
上から覗き込むと、足がすくむ
ダムの上は歩けるようになっていて、真下を覗き込めます。

これがなかなかの高さで、手すりから身を乗り出すと足の裏がヒュッとなります。高いところが苦手な人はほどほどに。
眼下には放水の霧と、階段状に積み上がったコンクリート。人の手で造られたものだという実感がなかなか湧かない規模でした。
ダムの下側には、巨大なコンクリートの門もあります。

苔むした壁が両側から迫ってきて、映画のセットのような雰囲気。ここは人が少なくて、静かに眺めたい人にはおすすめの場所です。私はここでしばらくぼーっとしていました。
お昼は黒部ダムカレー
レストハウスで名物の黒部ダムカレーをいただきました。

ご飯がダムの堤体の形に盛られていて、緑色のカレーがダム湖を表しているという趣向。私はカツをのせたものにしました。
正直なところ、頼む前は「観光地のネタ料理かな」くらいに思っていたんです。
でも、これが普通に美味しかった。緑色は着色料ではなく野菜由来の色だそうです。
標高1,400mを超えた場所でカレーを食べている、という状況込みの美味しさもあったと思います。でも、それも含めて旅ですよね。
「標高1454m」の記念碑

黒い石碑と、木彫りの標高看板。
看板をよく見ると「ダム湖の流木を利用(栗ノ木)」と書いてありました。ダムに沈んだ木を、そのダムの案内板にしている。こういうところに手をかけているのが、なんだかいいなと思いました。
定番の撮影スポットなので、混み合う前に撮っておくのがおすすめです。

これから行く人へ
実際に行ってみて、「これは先に知っておきたかった」と思ったことをまとめます。
羽織るものを一枚
しつこいようですが、ダムの上は涼しいです。放水の霧もあるので、夏の格好のままだと体が冷えます。
半日は見ておく
私はダムだけで2時間以上いました。放水を眺めて、堤の上を歩いて、下の展望台まで降りて、カレーを食べて。バスの往復も含めると、しっかり半日仕事です。急ぎ足だともったいない場所だと思います。
曇りでも行く価値はある
この日は曇りで、山には雲がかかっていました。それでも放水の迫力は天気に左右されません。むしろ霧と混ざって、独特の雰囲気がありました。晴れの日を待って先延ばしにするより、行けるときに行ったほうがいいです。

ヘルメットの置き場所
バスに乗るので持ち歩くことになります。ロッカーがあるので、身軽に歩きたい人は預けてしまうのがラクです。
まとめ
バイクで行けない場所を目的地にする、という少し変わったツーリングでした。
でも、朝の高速を走って、扇沢でバイクを降りて、真っ暗なトンネルを抜けた先に日本一のダムが現れる。この落差が、思っていた以上に良かったんです。
峠を攻めるのとも、絶景ロードを流すのとも違う。バイクを降りたところから始まる旅というのも、たまにはいいものだなと。
日帰りでも十分に行けます。中央道が空いていれば、朝早く出るだけで届く距離です。
次は晴れた日に、もう一度。放水の期間が終わる前に、また走りに行こうと思っています。

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